全校生徒に共通テストを強制的に受けさせる風潮

全校生徒に共通テストを強制的に受けさせる風潮

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ここ数年、大学入試共通テストの志願者数は減少の一途をたどっており、令和6年度には50万人を切りました。

もちろん少子化の影響も考慮すべきですが、2010年代後半のまだセンター試験が行われていた頃にはむしろ志願者数は増加しており、共通テストに変わってから、毎年減少し続けています。

この背景には、基本的な学力が問われていたセンター試験から外れて、独自の道を歩み始めた共通テストの特色が関わっているように思われます。

そんな中で本来は共通テストが必要ない子でも共通テストを受けることを学校から強制されているという声をよく耳にします。

学校の言い分としては、3年間の勉強の集大成だから、受験の方式に関係なく、全員共通テストは受けるべきだそうです。本音としては、一般入試に向けて勉強を頑張っている生徒がいる中で、推薦などで進路を早々に決めた子が遊んでいる様子を見せたくないなどでしょうか。

しかし、一般入試がある生徒にしても、私立専願の子は志望大学の傾向とは全く違う勉強をするのは負担が増えますし、もはや共通テストとは関係のない専門学校志望の子にも共通テストを受けさせるそうです。

やはり共通テストを強制する必要性は感じませんが、一つだけ共通テストを強制するメリットと考えられるのが、共通テストの平均点が下がることです。

一部の例外を除いて、共通テストが絶対に必要なのは国公立大学です。

つまり、共通テストを使わない子が減っていくほど国公立大学の受験者の割合が高くなり、それに伴って共通テストの平均点は上がります。そうなると平均点調整のために問題が難しくなり、共通テストの問題はさらに悪化してしまうかもしれません。

そんな中で平均点を下げてくれる存在は対策をする立場からすると、共通テストのますますの悪化に歯止めがかかるかもしれないのでありがたいです。

ただこれは大局的な視点で見たメリットであって、強制される子に恩恵はありません。共通テストは受けるのに3教科以上なら18000円かかるわけですから、強制するにしても本来は必要ない子に対してはせめてお金の問題くらいは解決してほしいですね。

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